海を渡る(1)鋸山編
いつぞや会社へ向かう方向とは逆の電車に乗る、或いは通勤電車の終着駅へ行くと楽しいと聞いたことがある。
根拠は分からない。分からないなら実際にやってみようと思い旅に出る。今回は勤め先とは逆の方に面白そうな場所を見つけたためそちらへ向かう。
ありがたいのかどうか分からないが、勤め先は都内も都内、アクセスは非常に良い。しかし満員電車にて毎日生きることの苦痛を知らされる。
都内は住んでいる場所から西にあたるため、東へ向かう電車に乗る。自由に動きたいが、ある程度目的地の目星をつけないと帰宅できない。
適当にネットで調べていると千葉県の鋸山という場所を見つけた。
なんとロープウェイがあり、近くには神奈川県の久里浜とを結ぶフェリーがある。
山でもロープウェイでもなく、海と船に異様に惹かれたため鋸山最寄りの浜金谷駅を目指すことにした。
朝6時に起床、予報は晴れ。
旅行日和だ。
浜金谷駅はJRしか路線がないため千葉駅で乗り換える。内房線に乗り換え、浜金谷方面の電車を待つ。
初めての房総半島に心が躍る。房総半島を暴走するという誰しも考えたであろうことを独り言ち、電車を待ちながらアイスを食べる。座席が対面式のなんとも和やかな電車が訪れ、いよいよ旅らしくなってきた。
さらに電車は進み、
海が見えてきた。
長らく森の中を進んでいたため退屈だったが、海が見えてからは心持ち電車は早く進み目的地に到着した。
地図を見て分かる通り駅からフェリー乗り場は近い。だがロープウェイ乗り場までは少々歩かねばならず旅行日和の晴れが恨めしくなる。
15分ほど港町を歩きロープウェイに乗る。
途中、豪雨災害の爪痕が見えた。
今回は海と船に惹かれたと書いたが、鋸山にも観光スポットはあり、山頂駅からそれらを目指す。
まず
眼科に広がる東京湾の景色である。パンフレットに書いてある通り、遠く離れた島々を見ることができた。富士山も見られるらしいが今日は見ることが出来なかった。
そして切り立った崖が現れる。
鋸山は石を切り出していた歴史があり、このような地形になったとロープウェイの添乗員が説明していた。
名前に鋸が入っているのは石材切り出しに鋸を使っていた名残だろう。
さらに大仏。
日本最大らしいが、奈良と鎌倉の大仏を10年以上前に見たきりなのでこれが本当に最大なのか、からっきし分からない。
他にも見所はあったが説明は省略。
鋸山を1時間ほど散策しロープウェイ乗り場に戻る。
建物内に資料館があり
切り出しの道具が展示されていた。
鋸はない。もしかしたら違う場所にあったかもしれないがそれは分からない。
ロープウェイで下山し港を目指す。
いよいよフェリーに乗る。とても楽しみ。
海を渡る(2)フェリー編に続く。